砂川市行財政改革に関する答申
砂川市では、これまでも市民の皆さんのご協力をいただきながら、さまざまな行財政改革に取り組んでまいりました。しかし、景気の低迷による市税収入の伸び悩みと地方交付税の削減、さらに少子高齢化の進展などにより、市財政は非常事態にあります。このことから、さらなる行財政改革が必要であると考え、砂川市行政改革推進委員会に審議を進めていただき、平成19年10月23日に「砂川市行財政改革に関する答申書」の提出を受けました。
その全文は次のとおりとなっています。
砂川市行財政改革に関する答申書
目次
- はじめに
- (歳出)
- 1.事務事業の見直し
- 2.補助金の見直し
- 3.交付金の見直し
- 4.委託料の見直し
- 5.負担金の見直し
- 6.繰出金の見直し
- 7.施設の休止
- 8.人件費の見直し
- (歳入)
- 9.市税の見直し
- 10.使用料の見直し
- 11.手数料の見直し
- 12.その他の収入確保対策
- 行財政改革に関する答申書(全文)
はじめに
砂川市行政改革推進委員会(以下「推進委員会」という。)は、平成19年2月26日に「行財政改革の推進について」の諮問を受け、当日より審議を重ね10月16日までに5回の会議を開催し、市民生活にかかわる事項を重点的に、集中かつ慎重に審議を進め、一定の結論に達したので本日答申を行うこととした。
財政の健全化に向けて、砂川市においては国の進める構造改革や経済情勢の悪化などから、平成12年および平成16年の行財政改革に関する答申に基づく見直しのほか、独自に行政内部で課題解決の方策として、事務事業の見直しをはじめ、福寿園の民間への移譲や職員数の大幅な削減による人件費の見直し等を図り、行財政改革に積極的に取り組んできた。
しかし、砂川市の財政は、国が進める三位一体改革や2011年度における基礎的財政収支の黒字化に向けた歳出・歳入一体改革などにより、地方交付税については、過去には大幅な減額となったところであるが、今後においても人口や面積を基本とする新型交付税制度の導入による影響や総額の抑制が見込まれる中、新しい自治体財政再建制度の導入により、特別・企業会計、さらに土地開発公社や第三セクターも含んだ連結での経営健全化が求められていることから、現状のままで進むと非常に厳しい財政状況になることが考えられる。
このような状況のなか、推進委員会では、平成20年度からの予算の編成に当たっては、再度の行財政改革が必要であるとの認識から、行政の事務・施策の全般にわたり、精力的に議論を進めることとした。
また、平成16年の行財政改革に関する答申において、平成20年度頃の再度の行財政改革の必要性を指摘しており、今後の収支不足額を考えると基金残高もすぐ底をつく状況となることから、行財政改革の推進について審議を進めた。
審議の結果、財政的に明るい展望が見えない今日的状況の中、より一層の歳出削減・歳入確保を図るため、市民並びに関係団体にとっては新たな負担を求めることとなるが、社会の変化に対応した簡素で効率的な行政の確立に向けて、次のような基本的な考え方で見直しを行うこととした。
歳出
1.事務事業の見直し
各種事業については、事業の開始当時と比較しその目的が達成されたもの、今日的な社会状況の変化や、代替え手段等により効率的な実施が可能となるものや、その役割が終了したもの、今後において経費の増大が避けられないもの等について見直しを行った。
また、行政内部事務については、引き続き経費の削減に努力を求めることとした。
(附帯意見)
北光小プールについて、今使えるプールがあるにもかかわらず、使用ができなくなるのは理解を得られにくいが、今後の修繕費の増大や全市的なバランスを考慮すると休止はやむを得ない。
北光小プールの休止については、学校開放事業で利用されていることもあり、地域の一定の理解を得ることが必要である。
資料編1
2.補助金の見直し
補助している事業の中で、負担の公平性や受益と負担の適正化の観点から受益者の一部自己負担等により経費の削減が可能なもの、事業の目的が達成されたものについて見直し、さらに補助額の上限設定についても見直しを行った。福祉団体への研修事業等におけるバス借上料については、全額補助を行なってきたが、利用する団体からの一部負担を求めながら経費の削減に協力願うこととした。また、運営費や事業費に補助している団体に対する一律削減については、国・道と併せて補助しているものや弱者へ支給しているもの等を除き、団体等と協議し、理解と協力のもとに見直しを行った。
(附帯意見)
観光協会補助金について、補助金の削減についてはやむを得ないが、各イベントの開催については、市の補助金以外に多くの企業等からの寄付で実施している現状を認識する必要がある。
資料編2
3.交付金の見直し
交付している事業の中で、受益者の一部負担等により経費の削減が可能なもの等について見直しを行った。勤労者共済会の給付については、法律改正による制度内容の見直しが必要とされたことから、市の独自給付分の変更を行い、交付金額を減額することとした。また、一律10%の削減は、補助金と同様に団体等と協議し、理解と協力のもとに見直しを行った。
(附帯意見)
労働振興費交付金について、削減はやむを得ないが、砂川地区連合会は、市内の多くの労働者で構成されており、雇用の確保や労働福祉の向上をとおし地域活性化のため活動している現状を認識する必要がある。
資料編3
4.委託料の見直し
委託料の多くは維持管理経費のため、委託業者との協議・調整において削減することとし、その他の委託についても業務内容の見直しを行い、経費の削減に努めることとした。ごみ指定袋取扱委託料については、ごみ袋料金の7%から5%に見直しを行い、以後ごみ指定袋の取扱委託料は、ごみ袋料金を改正しても見直し後の額を上限とする。また、体育施設および公民館の指定管理者の変更に向けて関係団体と十分協議をするものとした。
資料編4
5.負担金の見直し
負担金については、執務環境の変化により他の手法による情報収集やPRが可能となったこと等から脱会が妥当である。また、今回見直しをしていない団体についても、引き続き状況の変化に応じて対応すること。
6.繰出金の見直し
繰出金については、一般会計からその他の会計に対して、過不足を補うためや一定のルールにより支出しているが、人件費削減の影響額により見直すとともに、各会計においても独自の事務事業の見直しを進めること。
7.施設の休止
各施設については、その利用実態を踏まえ、利用度の低い施設を休止とし、維持費の削減を図るものする。また、総合体育館のトレーニングルームは設備の老朽化により更新に多額の経費を要するとともに、利用者の減少のため新たに柔道場として活用すること。
8.人件費の見直し
職員の人件費については、労使間で決定すべきものであり、理事者と職員団体が協議し決定した内容について尊重するが、現在の財政状況や今回の行財政改革において市民に多くの負担を求めていることなどを考慮し慎重に決定すべきである。
(附帯意見)
職員の人件費削減に当たっては、労使が十分協議し職員の理解と協力を得て、士気に影響を及ぼすことのないようにすべきである。
資料編5~8
歳入
9.市税の見直し
(1)固定資産税・都市計画税
固定資産税は、3年毎に税額の基準となる固定資産の評価替が行われるが、過去の評価替の影響で課税額が大きく減少している。現行の税率は、固定資産税が1.5%都市計画税が1.2%で計1.7%であるが、今後、市の財政状況や景気の動向並びに他市の状況を勘案しつつ、平成21年度の固定資産評価替の時期にあわせて税率の改正が必要かどうか検討すべきと考える。
(附帯意見)
税率を改正しても、評価替により税額が下がることになるので、改正はやむを得ない。
改正を行う場合は、近隣の市の税率を考慮することが必要である。
(2)軽自動車税
軽自動車の規格の拡大に伴い車両の財産的価値・道路に与える損傷の度合いが増大していると考えられ、また、類似する小型自動車との差についても非常に少なくなっているのが現状である。現行の軽自動車税の税率は、標準税率であるが、近隣自治体の改正状況を踏まえ、平成20年度から税率の改正をすべきと考える。
10.使用料の見直し
使用料の料金設定には、「当該行政サービスは、利用する特定のものが利益を受けるもの」であることから、「市民負担の公平性」の原則のもと見直しを図ることとした。また、新たに有料化する施設を定めた。
(1)ヘリポート使用料
ヘリポート使用料については、平成9年4月の料金改定から10年が経過したため、他の公共用ヘリポートとの均衡を図り改定する。
(2)火葬場使用料
火葬場使用料は、構成市町の住民は無料としているが、全道各自治体の実態を踏まえ、受益者負担の観点から使用料を徴収すべきである。ただし、使用料については、構成市町外の住民の使用料の半額程度とすべきである。
(3)公営住宅使用料
公営住宅駐車場使用料については、平成13年4月の料金徴収開始から6年経過したことと、道営住宅駐車場料金とのバランスを図るため、道営住宅駐車場料金と同程度に改定する。
11.手数料の見直し
(1)ごみ処理手数料
手数料の改正については、適宜改正を行ってきたが、可燃ごみの焼却を委託しているエコバレー歌志内の処理費の引上げによる保健衛生組合負担金の増額が予想されるため、受益者負担を考慮し、改正を検討すべきと考える。なお、保健衛生組合構成市町との均衡を図り改定する。
(附帯意見)
エコバレー歌志内の処理費の引上げに応じて、改正額について検討を要する。
処理費引上げを最小限に抑えるように、エコバレー歌志内の企業努力を求めるべきである。
12.その他の収入確保対策
収入確保対策については、市税等以外の新たな収入の確保や市有地の積極的な売却等による既存の収入の拡大を図り、財源確保になお一層の努力が必要である。また、収納率の向上に向け、法的な滞納処分の強化や口座振替の促進等に引き続き努めること。
(附帯意見)
積極的に遊休地の売却を行っていくべきである。
資料編9~12
以上の項目について、基本的な行財政改革の視点で見直しを行い、今後の収支改善を図ったとしても来年度以降の単年度収支は不足し、平成23年度頃には、再度の行財政改革を迫られる状況であることから、引き続き、答申に基づく見直しのほかに新たな歳出削減や歳入確保に取り組み、単年度収支の均衡および基金残高の確保を図る必要があるものと考える。
砂川市行財政改革に関する答申書(全文)
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