認知症を予防するには?
認知症を予防するには?
認知症の一番の危険因子は加齢で、長生きすると誰でも認知症になる可能性があります。現時点で認知症を完全に予防することはできませんが、発症や進行を遅らせることができれば、自立した生活を送ることが可能となります。ここに認知症予防の目的があります。
認知症の有病率を年齢別に見ると5歳刻みで倍増しており、発症を5年遅らせることができれば、認知症を半分にすることができます。
生活習慣病が脳の老化を進める!!
認知症発症の原因疾患の8割が「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」といわれています。
「脳血管性認知症」は、基礎疾患として高血圧、糖尿病、脂質異常症、心疾患などの生活習慣病が存在し、脳の血流が悪くなることによって引き起こされます。原因は“乱れた食生活”“運動不足”“喫煙”などの生活習慣が関係しています。
一方、「アルツハイマー型認知症」は、脳内にβ(ベータ)アミロイドといった老廃物(たんぱく質)が溜ることによって引き起こされるといわれていますが、近年、高血圧、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化、心疾患といった生活習慣病が関係していることがわかってきました。
特に糖尿病や糖尿病予備群の状態は認知症の発症リスクを2~4倍にするといわれています。高血糖状態が続くということは、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなった状態)が起きていて、細胞内に糖を取り込めなくなっている状態です。糖は脳の唯一の栄養源ですので、糖が利用できないと神経細胞の働きが悪くなってしまいます。
また、動脈硬化などにより脳の血液循環が悪くなるとβ(ベータ)アミロイドが排泄されず溜まりやすくなり、認知症が加速度的に進行するという報告もあります。
生活習慣病を予防し、血管を守り脳の血流を整えることが「脳血管性認知症」および「アルツハイマー型認知症」の予防につながります。
その他、急激な生活環境の変化や心理面の変化・ストレスなども認知症の発症につながる可能性があると考えられています。
脳を守るために
- 脳細胞を守ろう
脳細胞を修復し、維持するには、十分な酸素と栄養が十分な血流に乗って細胞の隅々に行き渡ることが重要であり、しなやかな血管・さらさらした血液・規則正しい血液の流れが必要です。
健診によって、自分の血圧や血液、動脈硬化の状況がわかります。若い時から健診を受けて生活習慣病を予防すること、高血圧・高脂血症・糖尿病といった生活習慣病を放置しないことが大切です。
~生活習慣病を予防するために~
- 定期的な運動の機会を持つ(週3~5回、20~60分程度の有酸素運動)
- 活動量に見合ったバランスのよい食生活を心がける(肥満を予防しよう)
- 適量のたんぱく質をとる(たまには青魚も食べよう)
- 野菜を多くとる・果物を適量摂取する
- 深酒をしない(飲酒は日本酒に換算して1合以内に抑える。赤ワインは認知症予防に効果的)
- タバコは吸わない
- よい睡眠をとる(脳細胞や神経線維の整備・修復のため)
- 昼寝は30分程度にする(1時間以上の昼寝は認知症になりやすい)
- 血圧・血糖・脂質に気をつける
- 年に1度は健診を受けよう
- 脳を活性化しよう
脳(特に前頭葉)を活発に働かせることで、脳の機能低下を予防するとともに認知症の症状を現れにくくすることができます。生活の様々な場面で、脳を活発に働かせ、いきいきと活動的に楽しく暮らしましょう。
また、同じ活動ばかりを行っていると、脳が慣れてしまい認知症予防の効果が低下しますので「いつもと違うことをしてみる」など様々な活動に取り組むことが重要です。
~脳を活発にする活動~
- 有酸素運動~有酸素運動によって、脳の血流がよくなり脳の機能が向上します~
仲間と楽しむスポーツ、社交ダンスなど
散歩やウォーキング、自転車、太極拳など - エピソード記憶(体験・出来事を記憶して、思い出す力)~意欲をもって、忘れないようにする習慣を~
外出して、家族以外の人との交流を楽しむ(体験・出来事を増やす)
出来事を思い出す(日記や家計簿などをつける) - 注意分割力(同時に2つ以上のことに注意を配る力)~いくつも注意しながら、並行してする活動を~
複数の人と会話する(3人から6人くらい)
料理をする(献立を考える、調理する) - 計画力・思考力(段取りや順序を考えて、実行する力)~物事を順序立てて、手順を考える活動を~
予定を考える(毎日の行動予定、旅行の計画など)
手順を考える(複数の料理を手早く作るための段取りを考えるなど)
ゲームをする(計画性が必要な囲碁・将棋・麻雀など) - 言語流暢性(言葉を思い出す、わかりやすい文章を作る力)~たくさんの言葉を使う、わかりやすく話す習慣を~
会話、交流を増やす(家族以外の人との会話・交流が効果的)
言葉を使う活動(俳句や言葉を使うパズル・ゲームなど)
~取り組みのコツ~
- 面白そうな、楽しくできそうなことを選ぶ(ストレスは脳血流を低下させる)
- 同じ活動を続けず、あれこれとやってみる(脳が慣れると効果が薄くなる)
- ひとりで活動するより、仲間と楽しみながら行う(楽しく続けられる、たくさんの刺激で効果が上がる)
外出や会話の機会にこんなところがあります!!
いきいきシニアプログラム
1年を通して参加できる介護予防教室です。
地域で活動しているサロンなど
近所の会館などで開催されている活動です。(詳細マップ(156KB))
公民館やふれあいセンターでの講座、サークル活動
町内会活動や老人クラブ
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砂川市 保健福祉部 介護福祉課 高齢者支援係〔1階 10番窓口〕
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